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お役立ち情報 遺言書作成

遺言書の種類と効力|自筆証書・公正証書・秘密証書の選び方

はじめに

「遺言書ってどれを選べばいいの?」「公正証書って費用がかかるの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。

遺言書には主に3つの形式があり、それぞれに特徴と注意点があります。今回は、実際の相談事例を交えながら、遺言書の種類と選び方をわかりやすく解説します。

自筆証書遺言|手軽だけど形式不備に注意

たとえば、80代のAさんは「自分の財産は少ないし、簡単に書いておけばいい」と考え、ノートに自筆で遺言を書きました。

しかし、日付が「令和○年○月」としか書かれておらず、財産の記載も「預金」だけ。これでは法的に無効になる可能性があります。

自筆証書遺言は、全文を自分で書く必要があり、形式不備があると無効になるリスクがあります。

2020年からは法務局の保管制度が始まり、これを利用すれば紛失や改ざんの心配がなく、家庭裁判所の検認も不要になります。

おすすめの使い方:

  • 財産が少額で、すぐに書きたい方
  • 保管制度を利用して検認を避けたい方
  • 行政書士に文案チェックを依頼すれば、形式不備のリスクを減らせます

公正証書遺言|費用はかかるが最も確実

Bさん(70代・会社経営)は、複数の不動産と株式を保有しており、「子どもたちが揉めないように、確実な遺言を残したい」と相談に来られました。

この場合、行政書士が事前に文案を整理し、公証人と連携して公正証書遺言を作成。証人2名も手配し、家庭裁判所の検認不要な遺言が完成しました。

公正証書遺言は、公証人が作成するため法的に最も確実で、認知症リスクがある方にも安心です。費用は数万円かかりますが、相続トラブルを防ぐ効果は高いです。

おすすめの使い方:

  • 財産が多い方、相続人が複数いる方
  • 認知症リスクがある方
  • 遺言執行者の指定も可能で、実務がスムーズになります
  • より詳しくは公証役場のサイトをご覧ください。

秘密証書遺言|内容を隠したいが無効リスクあり

Cさん(60代・再婚)は、「前妻の子には財産を渡したくないが、今の家族にも知られたくない」として秘密証書遺言を検討。

自分でワープロで作成し、封印したうえで公証人に「存在証明」だけしてもらいました。

しかし、内容に不備があった場合でも、公証人はチェックしないため、死後に無効と判断されるリスクがあります。

秘密証書遺言は、内容を誰にも見られずに作成できるメリットがありますが、形式不備のリスクが高く、実務ではあまり使われていません。

おすすめの使い方:

  • 内容を絶対に知られたくない方(ただし慎重な文案チェックが必要)
  • 行政書士が文案を確認し、形式不備を防ぐ支援が可能です

遺言書の選び方|目的と状況に応じて

  • 「とりあえず書いておきたい」→ 自筆証書(保管制度を活用)
  • 「確実に残したい」→ 公正証書(費用はかかるが安心)
  • 「内容を秘密にしたい」→ 秘密証書(ただし無効リスクに注意)

まとめ

遺言書は、形式によって効力や安全性が大きく異なります。
自分の状況や目的に応じて、最適な形式を選ぶことが、相続トラブルを防ぐ第一歩です。

行政書士は、文案作成から公証人との連携まで、安心して遺言を残すための実務支援が可能です。

次回予告

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次回は「遺言執行者の役割と選び方|相続手続きの実務とトラブル防止策」を解説します。信頼できる人をどう選ぶか、行政書士が支援できる範囲も紹介します。