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相続とマイナンバー制度|「マイナンバーがわかれば大丈夫」という誤解

相続手続きでは、亡くなった方の預貯金、不動産、証券、保険などを確認していく必要があります。
そのときに、よく聞かれるのが、

「マイナンバーがあれば、亡くなった人の財産は全部わかるのですか?」
「銀行口座も、役所で一括して調べられるのですか?」
「相続手続きにマイナンバーは必要なのですか?」

という疑問です。

たしかに、マイナンバー制度によって、行政手続きや金融機関との関係で便利になっている部分はあります。
ただし、相続については、マイナンバーがあれば何でも自動的に分かるわけではありません

この記事では、相続とマイナンバー制度の関係、預貯金口座との関係、相続手続きで誤解しやすいポイントについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

1.マイナンバーは、相続財産を自動で教えてくれる制度ではありません

まず大切なのは、マイナンバーは「亡くなった方の財産を一覧で教えてくれる番号」ではないということです。

相続では、預貯金、不動産、株式、保険、借金などを一つずつ確認していく必要があります。
通帳、郵便物、固定資産税の通知書、証券会社からの書類、保険証券、メールやスマホの情報などを手がかりに、財産を探していくのが基本です。

「マイナンバーで全部ひもづいているなら、役所に聞けば分かるのでは?」
と思われるかもしれません。

しかし、少なくとも一般の相続手続きでは、相続人が役所に行けば故人の財産が一覧で出てくる、という仕組みではありません。
ここを誤解してしまうと、必要な財産調査を後回しにしてしまうことがあります。

2.預貯金口座との関係は少しずつ変わっています

マイナンバーと相続で関係が深いものの一つに、預貯金口座があります。

現在、預貯金口座にマイナンバーを付番する制度があります。
デジタル庁は、預貯金口座にマイナンバーを付番することで、相続時や災害時に、一つの金融機関の窓口で、マイナンバーが付番された預貯金口座の所在を確認できるようになる予定だと案内しています。

ここで注意したいのは、あくまでマイナンバーが付番された預貯金口座についての制度だという点です。
すべての口座が自動的に分かるわけではありません。

また、これは「公金受取口座」の登録とは別の制度です。
公金受取口座は、給付金などを受け取るために一人一口座を国に登録する制度であり、相続財産を調べるための制度とは目的が違います。

※「公金受取口座登録制度」について、詳しくはデジタル庁のサイトをご覧ください。

つまり、
「マイナンバーがあるから、故人の銀行口座は全部すぐ分かる」
とは考えない方がよいのです。

3.亡くなった方のマイナンバーが必要とは限りません

相続手続きでは、亡くなった方のマイナンバーが必要なのか気になる方も多いと思います。

たとえば、相続税の申告では、国税庁が、マイナンバーの記載が必要なのは相続税の申告をする方であり、被相続人、つまり亡くなった方のマイナンバーを申告書に記載する必要はないと案内しています。

また、預貯金口座付番制度に関する相続時の照会でも、デジタル庁は、亡くなった方のマイナンバーは不要だと案内しています。申請者の本人確認書類、亡くなった方の氏名・住所・生年月日などを確認できる書類、申請者が法定相続人または包括受遺者であることが確認できる書類などが必要とされています。

つまり、
「故人のマイナンバーカードが見つからないから相続手続きができない」
とすぐに考える必要はありません。

ただし、手続きの種類や提出先によって必要書類は異なります。
分からない場合は、金融機関、税理士、行政書士などに確認しながら進めると安心です。

4.マイナンバーで財産調査が楽になる部分と、ならない部分があります

マイナンバー制度によって、相続手続きの一部が便利になる可能性はあります。
特に、預貯金口座の所在確認のように、今後活用が進む分野もあります。

ただし、相続ではそれだけでは足りません。

不動産は登記情報や固定資産税の資料を確認する必要があります。
株式や証券は、証券会社や取引残高報告書、郵便物などを確認する必要があります。
生命保険は、保険証券や保険会社からの通知を探す必要があります。
借金や保証債務も、契約書、督促状、通帳の引き落とし履歴などから確認することがあります。

つまり、マイナンバーは便利な手がかりの一つにはなっても、相続財産の調査をすべて代わりにしてくれるものではありません。

ここを理解しておくことが大切です。

5.相続でまず確認したいポイント

相続とマイナンバー制度について不安がある場合、まずは次の点を整理してみましょう。

  • 亡くなった方の預貯金口座はどこにあるか
  • マイナンバーが付番された口座があるか
  • 公金受取口座と預貯金口座付番制度を混同していないか
  • 相続税の申告が必要になりそうか
  • 相続人が誰か
  • 財産調査をどこまで進めているか
  • 借金や未払い金の可能性はないか

特に、ネット銀行を使っていた方、スマホで金融サービスを利用していた方は注意が必要です。
紙の資料だけでは財産が見えにくくなっているため、郵便物、メール、スマホアプリ、取引履歴なども確認していく必要があります。

6.まとめ|マイナンバーは便利でも、相続は「自動で完了」しません

マイナンバー制度は、相続手続きに関係する場面があります。
しかし、マイナンバーがあるからといって、亡くなった方の財産がすべて自動で分かるわけではありません。

大切なのは、
「マイナンバーで何ができるのか」
「何は自分たちで確認しなければならないのか」
を分けて考えることです。

相続でマイナンバーが必要なのか分からない方、預貯金口座や財産調査の進め方に不安がある方は、早めにご相談ください。
今ある資料をもとに、何を確認すべきか、どの手続きから進めるべきかを分かりやすく整理します。

相続は、制度を知っているだけでは進みません。
“マイナンバーがあるから大丈夫”と思っている段階で、一度全体像を確認しておくと安心です。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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