はじめに
「口約束でも契約は成立する」というお話を前回しました。
では、わざわざ契約書を作る必要はあるのでしょうか?
答えは 「契約書があることで安心と信頼を確保できる」 です。今回は契約書の役割とメリットを解説します。
契約書の基本的な役割
契約書には大きく3つの役割があります。
- 合意内容の確認
「何を・いくらで・いつまでに」など、双方が合意した内容を明文化し、誤解を防ぎます。 - トラブル防止
口約束では「言った・言わない」で揉めがちですが、契約書があれば合意の内容が明確になります。 - 証拠の確保
万が一裁判になったとき、契約書は強力な証拠になります。
契約書を作るメリット
1. 認識のずれを防ぐ
契約内容を文字にすることで、当事者間の理解の違いを事前に発見できます。
2. 紛争時に有利に働く
「契約書に書いてあること」を示すことで、裁判や交渉で立場を強められます。
3. 信頼関係の証になる
契約書を取り交わすこと自体が「誠実な取引をする意思」の証拠になります。
実務での事例
工事代金の支払いトラブル
契約書に「代金は工事完了後30日以内に支払う」と明記してあれば、支払い遅延への対応がスムーズ。
賃貸借契約の更新問題
口頭で「2年契約」と伝えていたが、借主は「自動更新」と思っていた → 契約書があれば明確にできる。
業務委託契約の成果物の範囲
契約書に納品物の仕様を定めておけば「ここまでやる・やらない」がはっきりする。
行政書士からのアドバイス
契約書は「相手を信用していないから作るもの」ではありません。
むしろ、相手を信頼しているからこそ、将来の誤解やトラブルを防ぐために作るものです。
- 金額の大きい契約
- 継続的な取引
- 不特定多数と関わるビジネス
こうした場合は必ず契約書を作ることをおすすめします。
まとめ
・契約書は「合意の確認・トラブル防止・証拠確保」の3つの役割がある
・書面化することで信頼関係が強まり、紛争リスクが大幅に減る
・大きな契約・継続取引では契約書は必須
・トラブルになってしまいそうな場合は、お知り合いの弁護士や、
「日本司法支援センター 法テラス」へ相談する
次回予告
契約書作成に関するこれまでの記事はこちらをご覧ください。
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次回は 「契約の種類一覧|有償・無償、双務・片務契約の違いをわかりやすく」 をテーマに、契約の基本的な分類を整理して解説します。
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