はじめに
契約と一口に言っても、その内容や性質によってさまざまな種類があります。
たとえば「お金を払ってサービスを受ける契約」もあれば、「無償で貸す契約」もあります。
今回は、契約の基本的な分類を整理しながら、それぞれの違いをやさしく解説します。
1.契約の分類を知る意味
契約の種類を理解しておくと、
- 契約書を作成するときにどんな条項が必要か
- 契約上の責任やリスクがどこにあるか
を判断できるようになります。
これは行政書士やビジネス実務においても非常に重要な視点です。
2.有償契約と無償契約
● 有償契約とは
当事者が対価(お金や労務など)を支払う契約です。
- 例:売買契約、賃貸借契約、業務委託契約など
→「お金を払う代わりにサービスや商品を受け取る」イメージです。
● 無償契約とは
一方が利益を受けるが、もう一方に対価がない契約。
- 例:贈与契約、使用貸借契約(無償で物を貸す)
→「タダでもらう」「タダでものを貸す」というイメージ
無償契約では、相手に損害が生じた場合の責任が軽くなる傾向があります。
3.双務契約と片務契約
● 双務契約とは
双方が義務を負う契約のこと。
- 例:売買契約(売主は物を渡す義務、買主は代金を払う義務)
- 例:賃貸借契約(貸主は使用させる義務、借主は賃料を払う義務)
→双方(例:売る側、買う側)に義務があるため、「同時履行の抗弁権(例:相手が品物を渡さないと自分もお金を払わない)」など特有のルールが適用されます。
● 片務契約とは
一方だけが義務を負う契約です。
- 例:贈与契約(贈与者だけが物をあげる義務を負う)
- 例:使用貸借契約(貸す側は義務を負うが、借りる側は基本的に負担なし)
→「ものをもらうだけ」「使わせてもらうだけ」のイメージ。無償契約は片務契約であることが多いです。
4.典型契約と非典型契約
● 典型契約
民法でルールが定められている契約(例:売買、賃貸借、請負など)
● 非典型契約
民法に明文規定がない契約。
- 例:フランチャイズ契約、ライセンス契約、コンサルティング契約など
→現代ビジネスでは非典型契約が増加しており、契約書でルールを明確に定める必要があります。
5.行政書士からのアドバイス
契約の分類を意識せずに契約書を作ると、
「どちらがどの義務を負っているのか」が曖昧になり、トラブルにつながることがあります。
- 有償か無償か?
- 双務か片務か?
- 典型か非典型か?
この3点を意識して契約内容を整理することが、実務上の第一歩です。
万が一、トラブルになりそうな場合は、お知り合いの弁護士や、
「日本司法支援センター 法テラス」へ相談しましょう。
まとめ
・契約は「有償/無償」「双務/片務」「典型/非典型」に分類できる
・契約の種類を理解することで、義務や責任の範囲が明確になる
・非典型契約では、契約書による明確化がとくに重要
次回予告
次回は 「契約書の基本構造を解説|前文・本文・条項・末文の意味」 をテーマに、
契約書の内部構造と、それぞれの部分が果たす役割を具体的に紹介します。
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