はじめに
「相続税って誰にでもかかるの?」「いつまでに申告すればいいの?」
そんな疑問にお答えするため、今回は相続税の申告と納付について、基礎控除の仕組みと申告期限を中心に解説します。行政書士と税理士が連携することで、戸籍収集から税額計算までスムーズに進めることが可能です。
相続税の申告が必要なケースとは?
相続税の申告が必要なのは、相続財産の合計額が基礎控除額を超える場合です。
基礎控除額の計算式は以下の通り:
基礎控除額}= 3,000万円 + 600万円×法定相続人の数
例:法定相続人が3人の場合 → 3,000万円+600万円×3=4,800万円
この金額を超える遺産がある場合、申告と納税が必要になります。
申告期限と納付期限
- 申告期限:相続開始(通常は死亡日)を知った日の翌日から10か月以内
- 納付期限:申告期限と同じ(延納・物納制度あり)
- 例:2025年1月15日に死亡 → 申告期限は2025年11月15日
- 土日祝日に当たる場合は、翌営業日が期限
申告に必要な書類(代表例)
- 相続税申告書(税務署提出)
- 被相続人の除籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 財産目録(不動産・預貯金・株式など)
- 評価証明書・登記簿謄本・通帳コピーなど
- 遺産分割協議書(または遺言書)
※相続関係が複雑でない場合は除籍謄本、戸籍謄本に代えて
法制相続情報一覧図での提出が可能です。
法定相続情報一覧図に関しては、法務局のページが参考になります。
税理士との連携ポイント
行政書士と税理士が連携することで、以下のような役割分担が可能です:
| 業務内容 | 行政書士 | 税理士 |
| 戸籍収集・相続人確定 | 〇担当 | ×不可 |
| 財産目録の作成支援 | 〇担当 | △補助可能 |
| 遺産分割協議書の作成 | 〇担当 | ×不可 |
| 相続税の計算・申告書作成 | ×不可 | 〇担当 |
| 税務署への申告・納付相談 | ×不可 | 〇担当 |
ポイント:
- 行政書士は「相続人の確定」「協議書作成」「書類整理」などの前段階を支援
- 税理士は「税額計算」「申告書作成」「控除適用判断」など税務領域を担当
- 連携することで、申告漏れや控除の見落としを防止できます
よくある注意点と実務トラブル
- 遺産分割が未了でも申告は必要:未分割の場合は「申告期限内に仮申告」し、後日更正申請
- 申告漏れ・期限超過には加算税・延滞税が発生
- 小規模宅地等の特例や配偶者控除などの適用には要件確認が必要(税理士の判断が重要)
まとめ
- 相続税の申告は、基礎控除額を超える場合に必要
- 申告・納付期限は「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」
- 行政書士は、戸籍収集・協議書作成・財産整理を支援
- 税理士は、税額計算・申告書作成・控除判断を担当
- 専門家同士の連携で、安心・確実な申告が可能
次回予告
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次回は「小規模宅地等の特例|相続税を大幅に減らす制度の条件と注意点」を解説します。自宅や事業用地の評価額を下げるための実務ポイントを紹介します。
