はじめに
契約書を作るとき、意外と軽く扱われがちな「契約期間」や「更新条項」。
しかし、ここを曖昧にしておくと、「いつ契約が終わるのか」「自動更新なのか」などを巡ってトラブルが起きることがあります。
今回は、契約期間の定め方と、更新条項の正しい設計方法をやさしく解説します。
契約期間の基本的な考え方
例文:
本契約の有効期間は、令和6年4月1日から令和7年3月31日までの1年間とする。
このように、開始日と終了日を明示しておくことが大切です。
ポイント
- 契約期間を明示することで、双方の責任範囲が明確になる
- 終了日がない契約は、トラブル時の判断が難しくなる
- 継続契約(業務委託・賃貸借など)では必ず「期間」を設定する
契約更新の仕組み
契約期間を定めたうえで、期間満了後にどうするかを決めておくのが「更新条項」です。
(1)自動更新型
期間満了時に、特に申し出がなければ自動的に契約が延長される方式です。
例文:
本契約の有効期間は1年間とし、期間満了の1か月前までに当事者いずれかから書面による解約の申出がない限り、同一条件でさらに1年間自動的に更新されるものとする。
メリット:契約を都度締結し直す手間がない
デメリット:相手が更新を望まなくても、気づかないうちに契約が延長されてしまう
(2)都度更新型(再契約型)
契約期間が終了するたびに、双方の同意によって更新する方式です。
例文:
契約期間満了後に契約を継続する場合は、当事者間の合意により改めて契約書を締結するものとする。
メリット:契約条件を見直すタイミングを確保できる
デメリット:手続きの手間がかかる
更新拒絶条項の注意点
自動更新型契約の場合、「更新しない」旨を伝える期限が重要です。
多くの契約書では「期間満了の〇日前までに通知」といった条項が入ります。
例文:
当事者のいずれかが契約を更新しない場合は、契約期間満了の1か月前までに書面により相手方に通知しなければならない。
注意点:
- 通知期限を過ぎると自動更新扱いになる
- 書面やメールで「更新しない」旨を明確に残すこと
契約期間と更新のトラブル事例
事例1:自動更新に気づかず契約継続
→ サービス利用料が翌年も自動的に引き落とされ、解約をめぐって紛争に。
事例2:更新手続を失念して契約終了
→ 更新手続きを忘れ、業務が止まってしまった。
事例3:更新条件の不一致
→ 価格改定後の契約更新でトラブルに発展。
※トラブルの際は、お近くの弁護士または法テラスにご相談を!!
行政書士からのアドバイス
契約期間や更新条項は、「いつ契約が終わるか」「更新の意思表示がいつまでに必要か」を明確にすることが重要です。
- 契約期間は「開始日」「終了日」を明記する
- 更新方式(自動/都度)を選び、通知期限を設定する
- 価格や条件の見直し時期を条項で明確にする
継続契約が多い業務では、これらをチェックリスト化しておくと安心です。
まとめ
・契約期間は必ず「開始日・終了日」を記載
・自動更新と都度更新のメリット・デメリットを理解する
・更新拒絶の期限を守らないと自動的に契約が継続される
次回予告
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次回は 「契約解除の基本とは?契約終了の種類と注意すべきポイント」 をテーマに、契約を途中で終了させる際の手続きや注意点を解説します。
