相続というと、不動産や預貯金を思い浮かべる方が多いですが、株式や投資信託などの証券も相続財産に含まれます。
ただ、証券の相続は預貯金より少しわかりにくく、
「どこの証券会社に口座があるの?」
「名義変更ってどうやるの?」
「売った方がいいの?そのまま引き継げるの?」
と迷う方がとても多い分野です。
この記事では、株式・証券の相続について、初心者の方にもイメージしやすいように、基本から流れ、必要書類、注意点まで順番に解説していきます。
目次
株式・証券も相続の対象になる
相続の対象になる主な金融商品
相続の対象になる「証券」には、上場株式、投資信託、ETF、REIT、債券などがあります。
亡くなった方が証券会社の口座で保有していたものは、基本的に相続財産として扱われます。
預貯金と違って目に見えにくいため、家族がその存在に気づいていないことも少なくありません。
特にネット証券を使っていた場合、通帳のようにすぐ見つからないため、相続の場面で初めて存在が分かることもあります。
預貯金の相続との違い
預貯金は金額が比較的わかりやすいですが、株式や投資信託は価格が日々変動します。
そのため、相続人の中で「いつの価格で考えるのか」「誰が取得するのか」が問題になりやすいのが特徴です。
株式・証券の相続が難しい理由
証券の相続が難しく感じられるのは、主に次の3つです。
1つ目は、どこの証券会社に口座があるか分かりにくいこと。
2つ目は、商品によって評価額が動くこと。
3つ目は、証券会社ごとに必要書類や手続きが少しずつ違うことです。
株式・証券の相続手続きの基本的な流れ
まずは証券会社を特定する
最初にやるべきことは、亡くなった方がどこの証券会社に口座を持っていたかを確認することです。
郵送物、取引残高報告書、配当金のお知らせ、メール、スマホアプリなどが手がかりになります。
証券保管振替機構(JASDEC)では、亡くなった方の株式等について、口座の開設先である証券会社や信託銀行等を確認するための開示請求手続を案内しています。
証券会社へ連絡して手続きを確認する
証券会社が分かったら、相続が発生したことを連絡し、必要書類や手続きの流れを確認します。
ここで所定の相続手続書類を案内されることが一般的です。
相続人を確定する
次に、戸籍を集めて相続人を確定します。
誰が相続人なのかがはっきりしないと、証券の手続きは進みません。
誰が取得するかを決める
遺言書がある場合は、原則としてその内容に沿って進めます。
遺言書がない場合は、遺産分割協議で、どの相続人が株式や投資信託を取得するのかを決めることになります。
名義変更・移管・売却の手続きをする
取得者が決まったら、相続人名義の証券口座へ移管する、または売却して現金化するなどの手続きを進めます。
ここでようやく実際の処理に入ります。
株式・証券の相続で必要になる書類
よく必要になる書類
一般的には、次のような書類が必要になります。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍類
- 相続人の戸籍
- 相続人の本人確認書類
- 印鑑証明書
- 遺言書
- 遺産分割協議書
- 各証券会社の所定書類
もちろん、どの書類が必要かは、遺言の有無や相続人の人数、証券会社の取扱いによって変わります。
遺産分割協議書が必要なケース
遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、誰が何を相続するのかを決めた遺産分割協議書が必要になることが多いです。
この書類の内容があいまいだと、証券会社で手続きが止まることもあります。
株式・証券はそのまま引き継ぐ?売却する?
そのまま保有するケース
相続人が投資に慣れていて、今後も保有したい場合は、そのまま自分名義の口座へ移して保有を続けることがあります。
売却して現金で分けるケース
一方で、相続人の中に投資経験がない場合や、公平に分けやすくしたい場合は、売却して現金化することもあります。
この方法は分けやすい反面、売るタイミングによって金額が変わることがあります。
どちらがよいかは家庭ごとに違う
どちらが正解というより、相続人の人数、財産の全体像、今後の管理のしやすさによって判断が変わります。
ここは「株だからこうする」と決めつけず、全体を見ながら考えることが大切です。
株式・証券の相続でよくあるトラブル
証券会社が複数ある
1社だけだと思っていたら、実は複数の証券会社に口座があった、というのはよくある話です。
ネット証券の存在に気づかない
紙の郵送物が少ないため、家族が気づきにくいのがネット証券です。
見落とすと、相続財産の把握漏れにつながります。
書類の不備で手続きが進まない
相続では、少しの記載ミスや不足書類で手続きが止まることがあります。
特に遺産分割協議書の書き方は注意が必要です。
価格変動で話がまとまりにくい
株式は日々価格が変わるため、「今売るのか」「後で売るのか」で相続人の意見が分かれることもあります。
初心者が最初にやるべきこと
1 口座の有無を確認する
まずは証券口座の存在を把握しましょう。
2 相続人を整理する
戸籍を集めて、相続人を確定します。
3 遺言書の有無を確認する
遺言があるかどうかで進め方が変わります。
4 必要書類をそろえる
証券会社に確認しながら準備を進めます。
5 焦って売却せず、全体像を見て判断する
株式だけを切り離して考えず、不動産や預貯金も含めた遺産全体の中で考えることが大切です。
株式・証券の相続は早めの整理が大切
株式・証券の相続は、預貯金より見えにくく、手続きも複雑になりやすい分野です。
「証券会社が分からない」
「どの書類が必要か分からない」
「売却すべきか、そのまま引き継ぐべきか判断できない」
こうしたお悩みは、とてもよくあります。
問題は、分からないまま後回しにしてしまうことです。
時間が経つほど、資料の確認はしづらくなり、相続人同士の話し合いも進めにくくなります。
特に株式や投資信託は価格が動くため、「いつ、どうするか」の判断が遅れるほど不安も大きくなりがちです。
実際、相続のご相談では、
「証券口座があるのは分かっているけれど、何から手を付ければいいか分からない」
「相続人同士で話す前に、まず全体像を整理したい」
という段階でご相談いただくことが少なくありません。
株式・証券の相続は、いきなり全部を解決しようとしなくて大丈夫です。
まずは、
どこの証券会社に口座があるのか
誰が相続人になるのか
遺言書があるのか
誰が引き継ぐ可能性があるのか
このあたりを整理するだけでも、次にやるべきことがかなり見えてきます。
「うちも証券の相続がありそう」
「難しそうで、つい後回しにしている」
そんな方は、今の段階で一度整理しておくのがおすすめです。
株式・証券の相続で何から始めればよいか分からない方、書類や流れを整理したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
ご家庭の状況を伺いながら、今やるべきことを分かりやすくご案内します。
“まだ大丈夫”と思っている今の相談が、あとでの負担を軽くします。
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